男女6人逆物語



この話はある男女6人がこの夏体験した不思議な体験を記録したものである。


1日目



水島俊也と河野泰徳と早野雄介はいつもつるんで遊んでいた。
3人は同じ大学で、同じ学部だったが、研究室が違った。
それでも、気がつくと3人で集まっていた。
何となくいつも一緒にいる、そんな感じの仲だった。

河野泰徳は浅黒いがっちりしたタイプだ。
柔道とかラグビーなんかをしていそうな印象がある。
しかし実際はそんなスポーツなどはしていなかった。
スポーツなんかより、どちらかというと女性を口説くのが大好きという軟派な男だった。

水島俊也は身長が高く、スッキリした印象を与える好青年だった。
泰徳ほどではないが、やはり女好きということが共通点だった。

早野雄介は3人の中では目立たないタイプだ。
身長は170センチほどで、体重は50キロに満たなかった。
痩せた可愛い感じの男の子というタイプだ。
見た目は決して悪くないのだが、いかんせんいつも行動を共にしている他の二人の方が目立った。
そのせいであまり目立つことはなかった。
そんなこともあってか、今まで女性と付き合ったことはなかった。

どういうわけかこんな3人が気が合っていつも一緒に行動していたのだ。

まだまだ残暑が厳しい時期に、この3人の男たちは南の小さな離島に旅行に来ていた。
貧乏学生としては、費用が安くなったタイミングに遊びに来たというわけだ。

「おい、向こうに可愛い女の子がいてるぜ。ちょうど3人じゃん。行ってみる?」
こういうことに目ざとい泰徳が俊也に言った。
「だよな。せっかくの旅行なんだから、女っ気があった方がいいもんな。だろ、雄介?」
「うん、そうだね」
「『うん、そうだね』って相変わらずノリの悪い奴だな。罰としてお前が声をかけてこい」
泰徳がそんなことを言い出した。
「えっ、僕?無理だよ、今までそういうことするのって大体泰徳だったじゃん」
「いいの、いいの。せっかくこういう自由な雰囲気になれるとこに来たんだから、日頃ではできないことにチャレンジしないと」
俊也も同調してきた。
「で、でも、僕は無理だよ」
「グジャグジャ言ってないで、さっさと行ってこい」
雄介は泰徳に背中を押された。
そのせいで、雄介は数歩進んで、そのまま砂浜に倒れこんだ。
女の子3人の視線が雄介たちに向いた。
「彼女たち、一緒に遊ばない?」
泰徳はその機に乗じて女の子3人に声をかけた。
「えぇ、どうする?」
「まっ、いいんじゃない。そんなに悪い人には見えないし」
「えぇ!亜衣は女同士の方がいいよぉ」
女の子3人組は相談していた。
「ちょっと遊ぶくらいならいいわよ」
結局は長髪の綺麗な女性が答えてくれた。
「よし、そうでないとね。まずは自己紹介から。俺が河野泰徳。で、こっちのいい男が水島俊也。こっちのヒョロッとしたのが早野雄介」
「おい、泰徳、『ヒョロッとした』ってのはないだろ」
「まあ、いいじゃん。彼女たちの名前教えてくれる?」
「私は優美」
優美と名乗った女性は長髪で、大人の女性という感じの女性だった。
「あたしは千夏」
千夏は髪がショートで快活な印象を与える女性だった。
「亜衣だよ」
亜衣はくせっ毛で目がクリクリッとした可愛い感じの女の子だった。
話し方に甘えたような感じがあった。
「それじゃお近付きということで、ビーチバレーでもしようよ」
6人はビーチバレーをしたり、海岸で泳いだりして過ごした。
「今日は楽しかったよ、ありがとう」
泰徳はそう言った。
「連絡先とか聞かないの?」
雄介は泰徳に聞いた。
泰徳はこういうことには抜け目ないと思っていたからだ。
「いいの、いいの。縁があれば、また会うだろうし、ちょっと遊んで『楽しかった』でいいんだよ」

ホテルに戻り、夕食の時間になった。
男たちは3人で夕食のレストランに行くと、昼間の女の子たちがいた。
縁があったのだ。
「ねえ、同席させてもらってもいい?」
「別にいいわよ。どうぞ」
男たちは女性たちの前に座った。
とりとめもない話をして夕食を楽しんだ。
食事が終わって、コーヒーを飲んでいると
「ねぇ、この島に地元の人しか行かない不思議な神社みたいなものがあるんだって」
泰徳はどこで仕入れてきたのかそんなことを言い出した。
何でも島の人しか行かない不思議な神社のようなものがあるらしい。
目の覚めるような真っ白な円弧の形をした鳥居のようなものが不気味だという話だ。
「古典的だけどさ、肝試ししない?」
「えぇ、亜衣、恐ぁーい」
「別にいいんじゃない。どうせ夜って特にすることもないし」
「じゃあ、決まり。早速行こう」
イニシアティブをとるのはやはり泰徳だった。

男女6人はホテルから10分ちょっと山の方に歩いて行った。
目の前にはやや急な坂があった。
「場所はこの登り坂を100mちょっと行ったところ。白い円弧の鳥居があるから、そこまで行って、写メを撮って戻ってくること。簡単だろ?誰から行く?」
「亜衣は絶対嫌だよ」
「じゃああたしが行くわ」
「千夏ちゃんが行くなら、俺が行く」
まず俊也と千夏が先に行くことになった。
「気をつけてね」
「大丈夫だって」
「俊也くんに襲われないように気をつけてってこと」
「俺って信用ねえんだな。それじゃ行ってくらあ」
俊也と千夏が手をつないで、暗闇に消えていった。
10分が経ち、20分が経った。
しかし、二人は戻ってこない。
いくら恐るおそるゆっくりと歩いたとしても10分もあれば戻ってこれるはずだ。
何かが起こったのかもしれない。
「あの二人、何かあったのかな?」
「確かにちょっと遅いよね」
「皆で見にいかない?」
残された4人は一緒に彼らを探しに行くことにした。
登り坂を少し行くと、泰徳が言っていた白い鳥居みたいなものが見えた。
そこをくぐって中に入ると社の前で二人が倒れていた。
「俊也、大丈夫か?」
早野は俊也の身体を揺すった。
「う…うーん」
俊也が気がついた。
「うん、大丈夫」
俊也はゆっくり上半身を起こした。
「あたしたち、どうしちゃったんだろう?ここに着いたら、急に眩暈がして…」
俊也のいつもと違う口調に周りは硬直した。
俊也はゆっくり倒れているもうひとつの身体に目をやった。
「えぇぇっ、あたしが倒れてる」
俊也のその叫び声をきっかけにしたように、6人はその瞬間に気を失ってしまった。

気がついたときはパニックだった。
何と6人の身体と心が入れ替わっていたのだ。

水島俊也の身体には羽山亜衣の心が入っていた。
河野泰徳の身体には矢野千夏の心が入っていた。
早野雄介の身体には中埜優美の心が入っていた。
矢野千夏の身体には水島俊也の心が入っていた。
中埜優美の身体には河野泰徳の心が入っていた。
羽山亜衣の身体には早野雄介の心が入っていた。
男の心が女の身体に、女の心が男の身体に心が移っていたのだ。


(筆者注)

これ以降では "身体(心)"で記載します。例えば
水島俊也の身体には羽山亜衣の心が入っている場合、
 俊也(亜衣)は以前からやってみたかった立小便をした
という具合に記述します。


「何が起こったんだよ」
優美(泰徳)が言った。
「亜衣はこんなのやだよ〜」
俊也(亜衣)が泣きながら言った。
事情を知らない者が見れば、まるでおかまだ。
「とにかく一回ホテルに戻ろう」
千夏(俊也)の提案に6人は神社からホテルに戻った。

「これからどうしようか?」
ホテルのロビーで優美(泰徳)が言った。
皆無言だった。
「みんな頭が混乱していてそれどころじゃないよな?とりあえず今日は寝て明日また考えようよ」
千夏(俊也)がそう提案した。
皆「そうするしかないよね」と言いながら、男女はそれぞれの部屋に入ろうとした。
すると、また千夏(俊也)が言った。
「部屋を入れ替えるか荷物を入れ替えるかしないといけないんじゃないか?」
考えてみれば今の身体に合った部屋に行くしかないのだ。
すなわち身体が男性の者は男性陣の部屋へ、女性の者は女性陣の部屋に入った。
意識の上では部屋を入れ替えたことになるわけだ。

女の身体になった男たちは部屋に入ってすぐに締め切った。
そして優美(泰徳)と千夏(俊也)は服を脱ぎ始めた。
下着だけになると、自分の身体を触り始めたのだ。
「女の身体ってすっげえ柔らかいな」
優美(泰徳)はブラジャーの上から自分の胸を揉んでいた。
「おお確かに。手も脚も気持ちいいぞ」
千夏(俊也)も自分の身体を触りまくっていた。
「そんなことしたら彼女たちに悪いよ」
亜衣(雄介)だけがひとりどうしていいか戸惑っていた。
「そんなこと言わずにお前も触ってみろよ。気持ちいいぜ」
そう言うとすぐに千夏(俊也)と優美(泰徳)が亜衣(雄介)を前後から挟んだ。
そして背後から千夏(俊也)が亜衣(雄介)の胸を鷲づかみにした。
「痛い!」
「おおっとごめんごめん。もっと優しくしなくちゃな」
千夏(俊也)はそう言って優しく亜衣(雄介)の胸を揉み始めた。
服越しに千夏(俊也)の手の動きを感じる。
その動きで自分の胸に本当に乳房があることを思いしらされた。
そして微かに快感を感じた。
「あああ…」
無意識に甘い吐息が漏れた。
「感じているようだな。それじゃこっちもしてあげよう」
そう言うと、優美(泰徳)はスカートの上から亜衣(雄介)の股間を触った。
亜衣(雄介)は股間を触られることで、そこにあるべきものがないことを思い知らされた。
自分の身体が確かに女の身体になっていることを感じた。
雄介は「今私は女の子なんだ」と心の中で考えていた。
そう考えることで、倒錯した興奮を感じていたのだ。
「あ…んんん……」
亜衣(雄介)はさらなる快感を感じた。
「どう、亜衣ちゃん。お姉さまたちのテクニックは?」
亜衣(雄介)の快感に呼応するように俊也が言った。
そんなセリフが雄介を倒錯した世界に導くことになった。
「あぁぁ、お姉さま。すごくいいです…」
亜衣(雄介)はそう答えていた。
雄介の意識の中では、自分のことを経験豊かな年上の女性に可愛がられるウブな女の子になっていたのだ。
「じゃあ亜衣ちゃん、ベッドに横になって」
「今から服を脱がすからね」
千夏(俊也)が優しく服を脱がせてくれた。
「亜衣ちゃんの胸はすっごく大きいわね。私たち、焼けちゃうな」
優美(泰徳)はそう言いながら乳首を摘まんだ。
「…ァン………」
電気が走ったような快感が身体を駆け抜けた。
「ぁん、お姉さまの胸の方が形がいいです」
そう言いながら優美(泰徳)に乳房を触られる感触を楽しんだ。
「次は亜衣ちゃんのオマンコ見せてくれるかな?」
「そんな……亜衣……恥ずかしい……」
雄介はすっかり亜衣になりきっていた。
一種の催眠状態に陥ったのかもしれない。
「亜衣ちゃん、お姉さんの言うことが聞けないの!」
「ごめんなさい、お姉さま」
亜衣(雄介)はM字開脚して、見やすいようにした。
「おぉ、すげぇ」
「しっ、もっとお姉さんらしく話さないとこいつ正気に戻るかもしれんぞ」
「そうだな。……亜衣ちゃん、奥の方が見えないからあなたの手で広げて見せて」
「はい、お姉さま」
亜衣(雄介)は両手で割れ目を広げた。
知識として知っている大陰茎、小陰茎がよく見えた。
優美(泰徳)はごくりと唾を飲み込んだ。
「亜衣ちゃん、お姉さん、ちょっと触っていいかしら?」
「はい、お姉さま」
優美(泰徳)は大陰茎に沿って指でなぞってみた。
亜衣(雄介)のため息が聞こえた。
「亜衣ちゃん、指入れてみてもいいかしら?」
「はい、お姉さま」
優美(泰徳)は調子に乗って、亜衣(雄介)の中に指を入れようとした。
「痛いっ」
亜衣(雄介)は痛みで正気を取り戻した。
「もう、二人とも、そんなことしたら彼女たちに悪いって言ってるだろ」
そう言った自分がいやらしい体勢をしていることに気がつき、すぐに脚を閉じた。
「もう僕は先に寝るからね」
そう言って、亜衣(雄介)はひとりさっさとベッドに入った。
そして1分もしないうちに寝息を立てていた。

「こいつ、一人だけ感じて、さっさと寝やがったな」
「しゃあねえな、二人で楽しもうぜ」
優美(泰徳)と千夏(俊也)は下着を脱いで全裸になった。
「最初に俺からしていいかな?」
優美(泰徳)は千夏(俊也)の股間に顔を近づけた。
そして両手で、千夏(俊也)の脚を広げた。
さらにお尻を持ち上げて、千夏(俊也)のオマンコを見えやすい体勢にした。
「へぇ〜、これがオマンコか。今まで暗いところでしか見たことなかったけど、結構グロいもんだな」
「おい、この体勢、結構恥ずかしいぞ」
千夏(俊也)が顔を赤らめて言った。
「我慢しろよ。滅多にこういうチャンスはないんだから」
優美(泰徳)は千夏(俊也)の股間に鼻を近づけた。
「…ん……」
匂いを嗅いだだけなのだが、その息が女性が最も感じる部分に当たった。
千夏(俊也)は恥ずかしさと気持ち良さに思わず声が出そうになった。
「なんかヌメヌメしたのが出てきたぞ。お前感じてるのか?」
「…別に…感じてねえよ……」
「嘘言うなよ、感じてるんだろ」
「感じてないって言ってるだろ」
「まっ、いいや。ちょっと舐めてみていいか」
優美(泰徳)は指で押し広げて、千夏(俊也)の膣口辺りに舌を這わせた。
「ん…ぁふ…ん…」
優美(泰徳)は千夏(俊也)が感じていることを確認しながらゆっくりと舌を這わせた。
千夏(俊也)が喘ぎ声を我慢しているのがよく分かった。
やがて痙攣したように身体が震えたかと思うと、膣口から液体が潮のように噴出した。
「ぁぁああ…ん……」
千夏(俊也)は全力疾走した後のように息も絶え絶えだった。
「ぁぁ…すご…かった……。女の感じ方って想像を越えてるな」
その後、快感の余韻を楽しんでいるように見えたが、そのまま眠ってしまった。

「おい、俊也もかよ。俺は自分で慰めるしかないか」
優美(泰徳)は両手で自分の乳房を揉んだ。
「おぉぉ、胸を揉まれるのってこんな感じなんだ」
優美(泰徳)は乳首を摘まんでみた。
「…んっ…すげぇ〜…気持ちいい…」
しばらく乳房を弄んでから、ゆっくりと股間に指をやった。
「クリトリスはっと……」
優美(泰徳)は谷間に指を滑らせ、小さな突起物に触れた。
「あっ……ぁぁ……これか……これじゃあ…女が声を出すはずだ……」
優美(泰徳)は何度もその突起物を指の腹でこすった。
そして膣の入り口を探した。
「すげえ濡れてるじゃん。この身体って感じやすいんだな」
膣口を捜し当て、ゆっくりと指を入れようとした。
「ぅ…ぅん…ちょっと痛いな…まだ湿り気が足りないのかな…」
優美(泰徳)はなおも念入りに乳房とクリトリスを愛撫した。
女のオナニーは終わりがなかった。
男のように射精して終わり、ということはないのだ。
際限のない快感が続く。
さすがに昼間の疲れもあったせいか、快感の中、寝入ってしまった。

男の身体になった女3人も自分たちの身体に興味津々だった。
「やっぱり男の身体ってゴツゴツしてるわね」
「でも泰徳くんの身体って意外と筋肉自体は柔らかいよ、あんまり運動してないんじゃない?」
泰徳(千夏)は身体を触りながら言った。
「亜衣はこんなの困るよ〜」
「亜衣ったらそんなこと言ってるけど、おチンチン、大きくなってるわよ」
俊也(亜衣)の股間が大きくなっていることはズボンの上から見ても明らかだった。
「だって勝手に大きくなるんだもん、亜衣、知らないよ」
「だって、それってエッチなこと考えたら大きくなるんでしょ?だったら亜衣がエッチなこと考えたんじゃないの?」
「え〜〜、そんなことないよ〜。どうしたらこれ小さくなるの?」
「エッチなこと考えるのを止めたらいいんじゃない?」
「だからそんなこと考えてないって」
「じゃ、溜まってるから大きくなってるんでしょ。だったら射精すればいいんじゃない?」
「えぇ〜、どうすればいいか分かんないよ」
「またまた〜。いつもやってあげてることをやればいいだけじゃない?何ならやってあげようか?」
泰徳(千夏)は今の姿には不釣合いな悪戯っぽい笑いを浮かべて、俊也(亜衣)の前に跪いた。
水着を少しずらしてペニスを取り出した。
「手でいい?それとも口がいい?」
「えぇぇ、そんなの、分かんないよ〜」
「じゃ、まずは手でやるね」
泰徳(千夏)は竿の部分を両手で持ち、ペニスの先に唾をたらした。
その唾を潤滑剤として両手の親指部分でペニスの先を擦った。
「どう、亜衣?」
「ん…気持ちいい…」
俊也(亜衣)は恍惚の表情を浮かべた。
しかしなかなか終わりを迎えられなかった。
「もう面倒だからしごくね」
泰徳(千夏)は右手で竿の部分を激しく擦った。
すると程なくしてピュピュッと白い粘液が飛び出した。
ようやく俊也(亜衣)のペニスが通常の大きさに戻った。
「どう、初めての射精の感想は?」
「う〜ん、何か我慢したおしっこをやっと出せたって感じかな。確かに気持ちはいいけど、出たらそれで終わりって感じで空しい気がする」
「ふ〜ん、男の人の感じってそんななのね。何か可哀想」
泰徳(千夏)と俊也(亜衣)がそんなことを話していると、離れたところで雄介(優美)が前屈みの体勢になってモジモジしていた。
「どうしたの、優美?」
「別に。何でもないわよ」
「もしかしたらその体勢は優美も大きくなったんじゃないの?」
「そんなことないわよ」
「じゃ、普通に立ってみてよ」
雄介(優美)は無理に直立しようとした。
股間が明らかに大きくなっていた。
「優美もエッチなこと考えたのね」
「あなたたちがしてるのを見てたらこうなったのよ。これ、どうすればいいの?」
「亜衣、今度はあなたが何とかしてあげる?」
「うん、分かった。優美さんのために亜衣、頑張ります♪」
俊也(亜衣)は雄介(優美)のペニスを取り出して、口に銜えた。
「亜衣、あなた、何てことを」
俊也(亜衣)は口をすぼめるようにして根元から先に刺激を与えた。
雄介(優美)は俊也(亜衣)の頭を持ち、前後に激しく動かした。
ペニスが俊也(亜衣)の口の奥に到達したとき、一気に射精した。
俊也(亜衣)の頭を固定してしまっていたので、俊也(亜衣)は出てきた精子を咳き込みながらも飲み込むしかなかった。
やがて我に返った雄介(優美)は俊也(亜衣)の頭を押さえつけてた手を放した。
「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ……。優美さん、ひどいです〜」
「ごめんなさい、気持ち良くってつい……」
雄介(優美)はそう言って顔を真っ赤にした。
そんなこんなで大騒ぎだったが、夜も3時を過ぎると何となく3人とも眠りにつくことができた。


2日目



元女性陣の目覚めは早かった。
「きゃ〜、これ、大きくなってる」
泰徳(千夏)の叫び声が目覚ましになったためだ。
「何〜?亜衣、まだ眠いのに……。そんなの千夏が亜衣にやってくれたように出しちゃえばいいんじゃないの?」
亜衣はそれだけ言うと頭から布団を被って、寝なおした。
「そんな……男って朝から射精してるの?」
「そう言えばおしっこすれば小さくなるって聞いたことがある。ほら『朝立ちや小便までの命かな』って川柳知らない?」
「そんなの知らないけど、とりあえずおしっこしてくる」
泰徳(千夏)はトイレに入った。
しばらくして水を流す音が聞こえ出てきた。
「とりあえず少し落ち着いたみたい。男の身体って本当に面白いね」
「ところで千夏、トイレは立ってしたの?」
「ううん、おちんちんがあんな状態だったから、どこに飛んでいくのか分からないし、座って外に飛ばさないように気をつけてやったよ」
「でもせっかく男の身体になれたんだから、一度くらい立ちションってのをやってみたいよね?」
「まあ慌てなくてもそのうち自然にするんじゃない」
「そうよね。それより問題は元に戻れるかどうかよね?」
「あいつら連れて、朝からあの神社に行ってみる?」
「うん、そうしよう」

朝食の場に現れた元男性陣はいかにも今起きたばかりという感じだった。
髪の毛は乱れており、化粧もせずに昨日と同じ服装で現れた。
元女性陣は慌てて手を引っ張って部屋に戻った。
「もうあなたたちは今は私たちの姿だってこと忘れないでよね!」
「何だよ、朝だからメシを食べに行っただけじゃないか」
「あなたたちは今女性なのよ。女性が化粧もせずにうろうろするなんておかしいじゃない!?」
「そんなこと言ったって俺たち化粧なんかできないぜ」
「だったら私たちに電話するとか考えればやれることはあるでしょ!?」
「悪かったよ。だったらメシ食えるようにやることやってくれよ。俺たち腹減ってさぁ」
元女性たちはそれぞれ元の自分の身体に対し、朝の簡単なメークをした。
口紅だけで済ましたのは優美、ほとんど目立たない薄化粧を施したのは千夏、朝から気合の入った化粧をしたのは亜衣だった。
3人全員が髪を整え終わったのは部屋に戻ってから45分経っていた。
「もう女ってのはホント面倒臭えな。じゃ早くメシに行こうぜ」
ようやく朝食にありつけた元男性陣は勢いよく食べだした。
「もうあなたたちは今は女なんだからもう少しおとなしく食べてよ」
「そんなこと言ったって腹が減って減ってどうしようもないんだから仕方ないじゃん」
「そんなに食べて太ったりしたら許さないからね」
「でも戻れるかどうか分からないぜ」
「とりあえず朝食が終わったら昨日の神社に行ってみない?」
「うん、そうだな。とりあえず行ってみるか」

朝食を摂り終わった6人は全員であの神社に行ってみた。
昼間に見てもあまり気持ちのいい感じはしない。
何となく不気味なものを感じる。
しかし昨夜のようなことは起こらなかった。
「何にも起こらないな」
「やっぱり夜とは違うのかもね。じゃあ夜に出直してみる?」
「そうするしかなさそうだな。今日はどうする?」
「どうするって……せっかく来たんだからいろいろ遊びましょうよ」
「午後からスキューバダイビング体験ってのがあるみたいだけど」
「面白そうね。でもスキューバってライセンスがいるんじゃなかったっけ?」
「"体験"だからいらないんじゃないの?"初心者OK"って書いてあったもん」
「だったらみんなで行こ。みんな、いいよね?」
その日は入れ替わった状態で、午後からスキューバダイビングをすることにした。
しかし、元男性陣にとって、初めての女性の水着は不安でいっぱいだった。
ほとんど小さな布切れとしか見えないもので胸と大きな尻を隠しているなんて信じられないのだ。
スエットスーツを着ているとは言え、何かのきっかけで胸が全開になりそうだ。
他人の身体とはいえ、それはそれで恥ずかしい。
なので思いっきり遊べなかった。

そしてその夜、6人は昨夜の社に行った。
6人はそれぞれいろんなことを考えていた。
亜衣はただただ恐怖で怯えていた。
千夏はこんな状況にされたことに軽い怒りを覚えていた。
俊也と泰徳はほとんど冷やかしのような感じで何も考えていなかった。
雄介と優美は面白半分で神聖な場所に来たことを悔い、真剣に心の中で謝っていた。

そして社の前まで行くと、昨夜と同じように6人とも気を失った。

「また入れ替わったのか?」
亜衣の姿をしている者が言った。
「僕、戻ってる」
雄介が言った。
「私も戻ったわ」
優美も言った。
「俺はそのままだ」
千夏(俊也)が言った。
「亜衣もそのまま」
俊也(亜衣)が言った。
「あたしもそのままみたい」
泰徳(千夏)が言った。
「俺は今度は亜衣ちゃんになったみたいだ」
亜衣(泰徳)が言った。

「そっか。二人が戻ったせいで俺が亜衣ちゃんの身体に入ったんだ。ところで何で二人だけ戻ったんだ?」
「僕、一生懸命、謝ったんだ。『ふざけてこんな神聖なところにきてごめんなさい』って」
「私も一緒よ」
「じゃあ、謝れば元に戻れるの?」
「そうじゃない?」
「そうなんだ」
元に戻れる方法が分かると、入れ替わり組の4人の話が怪しい方向へと進んで行った。
「元に戻れるんだったら、元に戻る前に経験したいことがあるんだけど、いいかな?」
亜衣(泰徳)が言った。
「皆まで言うな。俺も同じ気持ちだ」
千夏(俊也)も同調した。
「君たちもいいかな?」
「何なの?」
「異性の感じ方を体験してみるってこと」
俊也(千夏)と泰徳(亜衣)は顔を見合わせた。
そして頷いた。
4人はそのままホテルに戻り、女性陣の部屋にこもった。

雄介と優美は仕方なく、優美自身の荷物を移動させて男性陣の部屋に入った。
「あの4人は仕方ないね。僕は優美さんを襲ったりしないから安心してていいよ」
「うん、ありがとう」
二人は別々のベッドに寝た。
昼間の疲れもあり優美はすぐ眠りについた。
しかし、雄介は生まれて初めて女性と同じ部屋に泊まっているという事実に、緊張してなかなか寝付かれなかった。
しかし、あまりに無防備に寝ている優美の寝息を聞いていると、悩んでいるのがバカらしくなってきた。
そのせいで緊張がほぐれてきて眠りに入ることができた。

一方女性陣の部屋では…。
泰徳(千夏)と千夏(俊也)、俊也(亜衣)と亜衣(泰徳)が絡み合っていた。
「自分を抱くなんてすっごく倒錯した感じで興奮するわね」
泰徳(千夏)は千夏(俊也)に覆いかぶさっていた。
ゆっくり乳房を愛撫すると、千夏(俊也)が我慢できずに喘ぎ声を出した。
「ふ〜ん、あたしってこんな顔して抱かれてるんだ。なかなか艶っぽいわね」
泰徳(千夏)は乳首を舐めた。
千夏は乳首が感じやすいのだ。
千夏(泰徳)は声をあげるのが恥ずかしいのか必死にシーツを握り締めて耐えているようだった。
「俊也くん、気持ちよかったら、声を出していいのよ」
泰徳(千夏)は執拗に乳首を攻め続けた。
「……ぁぁ……ぃぃ……」
ようやく小さな声があがった。
そのタイミングでさらに激しく乳首を攻め立てた。
「ダメ……やめて…おかしくなりそう……はぁぁあぁ……」
千夏(俊也)は堰を切ったように喘ぎ声をあげた。
泰徳(千夏)は指をゆっくりと股間の谷間に移動させた。
「どうせ昨日のうちにオナってると思うけど、これがクリトリスね」
泰徳(千夏)はクリトリスに優しく触れた。
「はぁぁぁぁ……ダメ……いい……」
千夏(俊也)は快感に渦の中に溺れていた。
「じゃ、指を入れてみるね。残念ながらあたしは処女じゃないんで痛くないはずよ」
千夏(俊也)は自分の身体の中に異物が入ってくるのを感じた。
「それでね、この指をちょっと動かしてみるね」
千夏(俊也)の中に入った指があるところに触れた瞬間、千夏(俊也)は仰け反るような快感を感じた。
「ダメ〜〜〜」
「ねっ、すごいでしょ?だからペニスを入れたときにあそこを刺激してやればあたしは感じるってことなの。どっちかっていうと正常位よりバックの方が感じるはずだけど、まずは正常位でいくね」
千夏(俊也)はさっきより大きな物が自分の身体に入ってくる不思議な感じを感じた。
「全部入ったわ。泰徳くんがギュッギュッて締め付けてくるわよ。じゃ動くわね」
泰徳(千夏)がゆっくりと動き出した。
千夏(俊也)は未知の快感に翻弄されっ放しだった。
「俊也くん、気持ちよさそうね。じゃあ、これはどう?」
泰徳(千夏)は一旦抜いて、千夏(俊也)をうつぶせにした。
その体勢で後ろから挿入して腰を動かした。
「あ…あ…あ…あぁぁぁ…すご……すごすぎる……」
「ねっ、バックの方が感じるでしょ?」
泰徳(千夏)はバックで攻め立てた。
千夏(俊也)は実際は大きな喘ぎ声を出していたのだが、自分の出している声も聞こえてなかった。
やがて泰徳(千夏)が千夏(俊也)の中ではじけた。
そのときの感じは何とも満たされたものだった。

俊也(亜衣)と亜衣(泰徳)も抱き合っていた。
「お前、処女なのか?」
「残念ですけど、亜衣は処女じゃないよ」
「だったら入れられても痛くないんだよな?」
「痛くないどころかすっごぉ〜く気持ちいいよ」
「でも昨日雄介の奴は痛がっていたけどな」
「あっ、やっぱり、あたしの身体に悪戯してたんだ、ひっどーい」
「それはお互い様だろ」
「亜衣はね、耳たぶが弱いんだ」
俊也(亜衣)は亜衣(泰徳)の耳たぶを唇で挟むようにした。
「あ…いい……」
「ねっ、いいでしょ?あとね、唇を舐められるのも弱いんだよ」
俊也(亜衣)は舌の先で亜衣(泰徳)の唇の形に沿うように舐めた。
「……ん……」
「耳たぶは長い間やられるとダメなんだけど、唇はずっとやられててもずっと気持ちいいんだよ」
俊也(亜衣)は舌の先で何度も何度も唇の形に沿うように舐めた。
「…は…ぁん……」
「あと誰でも感じるところくらいかな。胸とかクリちゃんとか」
そう言いながら俊也(亜衣)は手が何本もあるかのように胸・股間・ヒップを触りまくった。
亜衣(泰徳)は完全に翻弄されていた。
「すごく濡れてきたよ。これで準備はOKね。そろそろ挿れていい?」
亜衣(泰徳)も早く挿れてほしかった。
しかしそれを口にするのは恥ずかしい気がした。
「あっ、そうだ。亜衣はね、すぐ入れられるより先っぽが入ったり出たりするのが好きなんだ。やってみるね。うまくできるかな」
俊也(亜衣)はペニスの先を入れたり出したりした。
亜衣(泰徳)は少しは感じるが、それほどでもなかった。
「うーん、あんまり感じないみたいね。きっと亜衣が下手なんだよ。だっていつももっと気持ちいいもん」
やっと俊也(亜衣)のペニスが入ってきて、腰を動かされたが、亜衣(泰徳)はあまり感じなかった。
この身体は不感症なのかもしれない。

俊也(亜衣)とのセックスが終わると、次は泰徳(千夏)がやってきた。
「今度は自分に抱かれるのよ。どんな気分?」
「何か変な感じがするな」
亜衣(泰徳)はそう言いながらも妙な興奮を覚えていた。
泰徳(千夏)は亜衣(泰徳)と唇を重ねた。
そして首筋に舌を這わせ、乳房を揉みながら舌を胸のところまで持ってきた。
泰徳(千夏)は亜衣(泰徳)の乳首を舐めた。
さっきと同じように執拗に乳首を攻め続けた。
「…あああああ……はぁぁ…おかしく…なる…」
亜衣(泰徳)は大きな声をあげながら、身体をよじって泰徳(千夏)の舌の攻撃から逃れようとした。
泰徳(千夏)は乳首から口を離し、指をゆっくりと股間の谷間のクリトリスに移動させ優しく触れた。
「はぁぁぁぁ……すご…い……」
亜衣(泰徳)はさっきより感じていた。
「泰徳くん、すごく気持ちよさそうね。もう準備できてるようだから、入れるね」
亜衣(泰徳)は泰徳(千夏)のペニスが自分に入ってくるのを感じた。
その瞬間から感じた。
泰徳(千夏)がゆっくりと動き出した。
そして緩急をつけて腰を動かした。
亜衣(泰徳)はものすごく感じた。
「…はぁ…あぁ…あぁ…あぁ…あぁぁぁぁ……」
亜衣(泰徳)は自分でもどれくらいの声を出しているのか分からなかった。
また快感の波に飲まれて自分の身体がどこかに行ってしまいそうな程だった。
そのせいで必死に泰徳(千夏)の身体にしがみついていた。
やがて泰徳(千夏)が亜衣(泰徳)の中で射精した。
頭の中が真っ白になった。
快感の中で、抱かれる相手によってこうも違うものかと考えていた。
もしかすると自分に抱かれる異常事態がそう感じさせるのかもしれない。
どちらにしても、女は抱かれる相手によりいろいろと感じることができるのは羨ましいことだと思った。


3日目



4人は締め切った薄暗い女性陣の部屋で朝からずっとセックスしていた。
セックスしては寝て、起きてはセックスし、という具合にセックス漬けで過ごした。

雄介と優美は二人ビーチで過ごした。
ほとんど泳ぎもせず、ビーチパラソルの下で二人して座っているだけだった。
話すことと言えば、ホテルに残してきた4人の話題だけだった。
そんなときにふと優美が言った。
「昨夜はありがとう。私のことを気遣ってくれて。やっぱり雄介くんだけは私が思った通り真面目な人だったわね。私、そういう人、好きよ」
優美は雄介の右頬にキスをした。
雄介は勇気を出して右手を優美の右肩に回した。
優美は雄介の肩に頭を置き、もたれかかった。

3泊目の夜は社にさえ行かなかった。

男性陣の部屋では雄介と優美が初めて結ばれようとしていた。
「雄介くん、恥ずかしいんだけど、私、初めてなの。優しくしてね」
「優美さん、僕も初めてなんです」
いよいよ挿入というときにはうまくいかなかった。
「優美さん、ごめん、どこか分からない」
優美は雄介のペニスを手にとり、自分の場所に導いた。
「来て」
雄介はドキドキしながらその部分に挿入しようとした。
半分くらい入ったときに
「痛いっ!」
優美が叫んだ。
「ごめん、痛かった?」
「いいの、来て」
優美は雄介を促した。
雄介はゆっくりとペニスを全部入れた。
「優美さん、全部入ったよ」
「これが男の人のものが入った感覚なのね。なんかお腹の下に心臓があるみたい。すっごくドキドキしてる」
「動いていい?」
「ううん、もう少し、このままでいて。雄介くんのものを感じていたいの」
雄介は挿入した状態でじっとしていた。
時々優美がギュッと締め付ける感じが心地よかった。
「優美さんが僕のを締め付けてるよ、ギュッギュッって」
「そうなの?私はそんなことしてる感じはないんだけど。こう?」
最大の締め付けがあった。
「すごい、すごいよ」
「こうしたら気持ちいいの?」
「うん、気持ちいい。そろそろ動いていい?」
「……ん、いいわ……。ゆっくりしてね……」
雄介はゆっくりと動き出した。
優美は何かに耐えるように目をつむってシーツをギュッと握り締めていた。
発射までそれほど時間はかからなかった。
雄介は勢いよく優美の中に精液を出した。
「ごめん、ひとりで勝手に行っちゃって」
「ううん、いいの。雄介くん、気持ちよかったんでしょ?」
二人は深いキスをして、それから全裸のまま手をつないで同じベッドに眠りについた。


4日目



この日も前の日と同じだった。
入れ替わっていられるのは今日までという思いがあり、ラストスパートのごとく、4人は絡みまくっていた。
雄介と優美は二人仲良く買い物をしたり、海で遊んだり、観光を楽しんでいた。
東京に戻ってからもつき合おうと、どちらからともなく約束していた。


その夜、4人で神社に行った。
そして泰徳と千夏が元に戻った。
俊也が千夏から亜衣の身体に移った。
すなわち、俊也と亜衣が入れ替わった状態になった。
これは亜衣だけが謝らなかったためだった。
他の3人は心から謝っていたのだが、亜衣だけは何も考えてなかった。
「どうすんだよ?明日は東京に帰んなくちゃならないんだぞ」
亜衣(俊也)は声を荒げた。
「だって亜衣は、俊也さんの身体、気に入っちゃったんだもん」
「俺はこんな身体、嫌なんだよ」
「へぇ〜、そんな言い方するんだ。なら亜衣にも考えがあるもんね」
「い、いや、そういう意味で言ったんじゃなくって、俺は俺の身体に戻りたいだけなんだ」
「分かってるわよ、じゃあさ、明日の明け方にもう一回ここに来るということで、今晩は二人で燃えよっ♪」
「『燃えよっ』ってまたセックスするのか?」
「だって亜衣になった俊也さんと亜衣がセックスするなんてちょっとワクワクすると思わない?」
「別に俺は……うん、するする。ワクワクする」
「ちょっと無理やりな感じね。まっ、いいわ。じゃあ、ここでする?それともホテルに戻る?」
「こんな外でやるのは恥ずかしいし、ちょっと痛そうだし…ホテルに帰ろ」
「えぇ、そうなんだ。男の人ってチャンスがあればどこででもするもんだと思ってたのに。そんな恥じらいを持ってるなんて、もしかしたら俊也さん、身も心も女になったとか?」
「ふざけるなよ。言うこと聞いていれば調子に乗って」
「ああ、そういう態度に出るんだ。だったら亜衣はいいもんね、このままで」
「俺もお前のままでいいよ。これくらい可愛かったら、お金持ちの男ひっかけることもできるだろうしな。玉の輿に乗って一生安泰ってのも悪くねえからな」
急に俊也(亜衣)はおとなしくなった。
あとのメンバーは情勢を見守っていた。
「俊也さん、ごめんなさい。亜衣も亜衣の身体に戻りたい。でも、さっきのお願いだけ聞いてください。お願いします」
俊也(亜衣)は目から大粒の涙を流して言った。
「馬鹿やろう。俺の姿してそんなみっともない泣き方するな。じゃホテルに戻って一回だけやったら、すぐにここに戻って、真剣に謝るんだな」
「うん、約束する」

部屋の照明をつけたままで、俊也(亜衣)と亜衣(俊也)は全裸で抱き合っていた。
最後だから相手の顔をしっかり見ていたいという俊也(亜衣)の希望だった。
体位は亜衣(俊也)が上になっていた。
亜衣(俊也)は俊也(亜衣)の乳首を舌の先でつっつくようにした。
「ん……男の人の乳首も感じるのね。くすぐったいような気持ちいいような感じ」
俊也(亜衣)はしばらくされるがままになっていたが、攻守を逆転させた。
指に唾液をつけて、亜衣(俊也)の乳房を下から上に揉み上げるようにした。
その際、唾のついた指で、乳首に触れるように触った。
「はぁ……ん……」
「亜衣になってる俊也さんって可愛い」
亜衣(俊也)は快感のため上体を起こしているのもつらくなってきた。
たまらず手を俊也(亜衣)の肩の辺りについた。
「じゃ、攻守交替ね」
俊也(亜衣)はすばやく体勢を入れ替えた。
仰向けになった亜衣(俊也)は俊也(亜衣)からの前戯に翻弄されていた。
足首を持ち、大きく開脚させられた。
亜衣(俊也)の女性自身が俊也(亜衣)の目の前に晒された。
「いやっ、恥ずかしい……」
「だって、これ、亜衣のだから、自分で自分のを見てるだけだよ。俊也さんが恥ずかしがることないんだよ」
「だって…」
亜衣(俊也)は乙女の恥じらいを感じているのだった。
昨日までは締め切った薄暗い部屋だったが、今日は部屋の照明が点いたままなのだから。
俊也(亜衣)はその恥ずかしい部分に舌を這わせた。
「はあ……ん……やめて……ん…んん……」
「俊也さんの亜衣ってすっごく可愛いね。亜衣自身より可愛いかも」
亜衣(俊也)はそんな屈辱とも取れる発言と、自分の恥ずかしいところを見られ、弄られているという恥ずかしさで、異常に興奮していた。
身体の中から大きな快感が次から次へと押し寄せていた。
昨日何度もやったセックスとは次元の違う快感だった。
「俊也さん、すっごくたくさん愛液が出てるよ」
亜衣(俊也)の頭は快感のせいで何も考えられなくなっていた。
「早く……早く…入れて……」
亜衣(俊也)は無意識に行為を求めた。
「どうしたの、俊也さん?」
「早く……早く…入れて欲しいの…。メチャクチャにして…」
亜衣(俊也)は自分でも何を言っているのか理解していないのだろう。
「亜衣もいつもこんなこと言ってるのかな?でも昨日までの泰徳さんはそうでもなかったし……」
俊也(亜衣)は疑問を感じながらも求められるまま、ペニスを挿入した。
「はっ…はぁ〜ん……」
俊也(亜衣)は腰を動かした。
「ん…ん…ん…ん…ん……ぃぃ…ぁん………ぁぁ…」
亜衣(俊也)は声を抑えられず大きな声で喘いだ。
やがて俊也(亜衣)の射精のときを迎えた。
亜衣(俊也)は仰け反るような形でしばらくペニスからしっかり精子を搾り出すように膣を強く締めた。
「俊也さん、今までで一番素敵なセックスだったわ」
俊也(亜衣)が言った。
亜衣(俊也)はその声が遠くからするような感じで聞いていた。
やがて二人とも寝入ってしまった。


5日目 〜最終日〜



俊也(亜衣)が目を覚ましたのは2時半だった。
「俊也さん、起きて。早く行かないと戻れなくなるわよ」
呼びかけても亜衣(俊也)はなかなか起きなかった。
何度も呼びかけて、10分ほどしてようやく目を覚ました。
「もう朝か?」
「何、寝ぼけてるの?朝になっちゃったら戻れないでしょ」
「そうだ、戻るんだった。早く行こうぜ」

俊也(亜衣)と亜衣(俊也)が社に来たのは夜中の3時前だった。
そこで二人で真剣にこれまでのことを心の中で謝った。
いつの間にか二人とも気を失っていた。
気がついたときには元に戻っていた。

「ねえ、俊也さん」
元に戻った亜衣は恥ずかしそうに言い出した。
「ん?」
「亜衣は俊也さんのことが好きです。だから」
「馬鹿、そういうことは男に主導権取らせろよ」
「じゃ♪」
「おぅ、東京に戻ってからも付き合ってくれるよな」
「うん!こちらこそよろしくお願いします」
「俺たちってちゃんとした形ではキスもしてないよな」
俊也はそう言って、亜衣の唇に軽くキスをした。
亜衣は嬉しそうに俊也の胸に飛び込んだ。


《完》

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