終わりのない悪夢
「それじゃ入れるぞ」
「ええ、入れて」
まただ。
毎晩のように繰り返される夢。
俺は男に入れられて感じていた。
どこに入れられているのかは分からない。
尻に入れられているのか女にしかないところに入れられているのか。
確実に言えることは性的に感じていること。
決して勃起している感覚のないこと。
そして俺の胸には突かれる度に揺れる柔らかい膨らみのあることだ。
俺は女かニューハーフになっているようだった。
最初この夢を見ているときは状況が理解できなかった。
目覚めたとき それが夢だったことが分かり、ひと安心した。
それから毎晩同じような夢を見るようになった。
何度目かのときからは「これは夢なんだ」と冷静に考えるようになっていた。
それでも感じ方はいつも激しいものだった。
男が俺の中で射精するまで俺は感じ続けた。
起きたときには、俺は夢精していた。
こんな夢ばかり見ていると、俺の精神にも影響が出てくる。
今の俺は女ではなく男ばかりを見てしまうのだ。
こいつに抱かれてみたい。
こいつに抱かれればどんな感じなんだろう。
つまり男をセックスの対象と考えてしまうようになっている。
俺は現実世界でも男に突かれることを求めている。
そのために豊胸することを真面目に考えている。
こんなのおかしいと思ってもどうしようもない。
俺は男のペニスを求めているのだ。
誰か俺を突いてくれぇ!
《完》