打ち砕かれたプライド
「あなたの身体になってから分かったんだけど、私の身体ってすごく魅力的よね?」
俺に身体になった未央が俺の乳房に触れてきた。
「私って左の方が感じるのよね」
そう言いながら乳首の先に刺激を与えてくる。
「やめろよ、感じるだろ。んっ…」
声を抑えることができない。
なおもしつこく乳頭に刺激が与えられる。
俺は喘ぎ続けていた。
「そろそろ抱いてほしくなってきたんじゃない?」
「誰が!」
そうは言ったが、俺の股間はすでにグチョグチョになっていた。
入れてほしい。
そう言うことができればどれだけ楽か。
それでも男のプライドが許さなかった。
なおも未央は指で乳首を突いてくる。
もうダメだ。
我慢できない。
まさにそのときだった。
「抱いてほしい?」
そう未央が言ったのだ。
俺は目を合わせず頷いた。
「できれば『抱いて』って言ってほしいけど、そこまで意地悪するのもねぇ」
そうしてやや乱暴なキスをされながら押し倒された。
驚いたが、やっと抱いてもらえるという期待感の方が大きかった。
未央の身体になって初めてのセックス。
女のセックスがこんなに感じるものだなんて。
「もっと…もっと奥までちょうだい!」
抽送されているとき そう叫んでしまった。
未央のニヤッとした顔を見て「しまった」と思ったが、もう遅かった。
一方でその一言が俺のささやかなプライドを打ち砕いた。
それからの俺は完全にセックスに溺れる雌だった。
何度中出しされたか分からない。
俺は快感で意識朦朧になっていた。
「あなたもやっと私の身体を受け入れてくれてみたいね」
未央が俺の髪を撫でながら言った。
「うん、これからも抱いてほしいな」
未央は嬉しそうな顔をして、優しくキスしてくれた。
「うん、もちろん。もう1回しようか」
そう言って、また愛撫が始まった。
つまんないプライドがなくなって本当に良かった。
だって、俺、いや、わたしは幸せなんだもん。
《完》